がんに向き合う人々が、笑顔と自分らしさを失わない環境のために
現在、乳がん、子宮頸・体がん、卵巣がんで治療を行っている方は、女性のがん罹患者全体のうち30%を超えており、今後も増加が予測されています。また、女性のがんにおいて、大腸がん罹患者数は2位、胃がんは4位で、特に大腸がんの罹患者数は、この40年間、増加を続けています。
※2020年にがんと診断を受けた女性は約41万人。うち、乳がん約9.2万人、大腸がん約6.5万人、胃がん約3.5万人、子宮頸・体がん約2.8万人、卵巣がん約1.3万人(がん情報サービスより)
このような状況においても、周囲に病気を伏せて、 孤独や不安の中で、治療と仕事や暮らしをなんとか両立させている女性がんサバイバーも多い現状です。
しかし、長く厳しい治療にひとりで臨むのは、時にとてもつらく感じられます。そんな時、 共通の経験を持つ仲間(=ピア)とのコミュニケーションは、前に進む上で、とても大きな力となり支えとなります。
私たちは、不安やつらさを抱えながらがんに向き合う人々が、 同じ病気に向き合う仲間とつながり支えあえる、温かれ安全な環境づくりを目指しています。
代表挨拶

ピアリング代表理事
上田暢子
困難に直面した時、共通の経験を持つ仲間とつながることができると、信じられないくらい勇気が湧いて、前に進むことができます。 私はそれを、自らの乳がん経験から実感しました。
そこで、治療・仕事・家事や家族の世話で忙しい女性たちが、いつでも、どこからでも仲間とつながり支えあえる場所、生活に必要な情報を交換できる場所、”がん”のことを遠慮なく話せる場所、そんな場所を創ろうと、ピアリング事業をスタートさせました。
今、「ピアリング/ピアリング・ブルーに出会って、心が救われた!」という、たくさんの声に触れるたび、この二つのコミュニティを、安心できるピア・プラットホームとして守り育てていく責任を感じています。
2人に1人が、一生のうちに”がん”を経験する時代。がんに向き合いながら、 自分らしく生きようとするがんサバイバーを、温かく応援する社会を、創っていきたいと思います。

理事
(ピアリング・ブルー代表)
佐々木香織
主治医にも家族にもできないこと=当事者同士のささえあい=ピアサポートは本当に存在します。
治療や気持ちが100%同じ人はいないけれど「わかる!私も!」と思いを共有することが、心を軽くするのです。
私が罹患した2018年、大腸がんの患者会は全国どこにもなく、乳がん・婦人科がんのピアリングが心底うらやましかった。排便障害や薬の副作用の悩み、ストーマのことを語り合える友は当時、見つかりませんでした。
けれど、2023年に多くの当事者や支援者からのクラウドファンディングを受け、ピアリング・ブルーが誕生!大腸がん・消化器がんの仲間といつでもどこでも安心してつながれる場が出来ました。
ひとりじゃない場所・仲間が待っている場所を、皆さんと一緒にこれからも育て、温かな輪を広げていきたいです。
顧問医師

ピアリング顧問(乳腺科)
鈴木 瞳先生
(一宮西病院 乳腺外科部長)
「どうして私が…?」「どうして今なの…?」。がんと告知されてすぐは目の前が真っ暗になり、世界から自分だけが取り残されたような気持ちになります。
女性として、妻として、母として、娘として…。あらゆる役割を担って毎日生活している皆さんにとってはなおさら、そんな思いというのはとても強いものではないでしょうか?
私は、2012年から聖路加国際病院ブレストセンターに勤務し、乳腺外科医として診療に携わる中で、多くの乳がん患者さんと出会いました。そして、がんと向き合う過程で、絶望や苦しみ、悲しみや恐怖など、様々なことを経験しながらも、その困難を乗り越えた先に、強く輝き、明日に向かって羽ばたいてゆく沢山の女性を見てきました。
現在、結婚・出産を機に愛知県の一宮西病院乳腺外科に赴任しておりますが、やはりそんな女性たちにパワーをもらいながら日常診療にあたっています。
前向きに生きる女性たちの存在は私にとってとても大きく、診断や治療を通じて、一人ひとりに寄り添って共に歩んでいく幸せに、日々感謝しています。
いつでもどこでもオンラインでつながりを持てるPeer Ringは、仕事や家事と治療の両立で忙しい女性の強い味方だと思います。診察室では相談できない悩みやふと沸いた疑問を、気軽に打ち明けてみてください。そこにはきっと、手を差し伸べてくれる温かい仲間が待っています。
このSNSを通して、診察室では直接お話しできない皆さんにも、適切な医療情報が伝わるお手伝いができればいいなと思っています。 医師として、共にがんに立ち向かう女性の一人として、皆さんのことを、心から応援しています。

ピアリング顧問(婦人科)
西川 忠暁先生
(東京慈恵会医科大学
産婦人科学講座 講師/診療医長)
婦人科がんに対する薬物療法を専門とし、産婦人科医でありながら国立がん研究センター中央病院の腫瘍内科で研鑽を積んできました。日進月歩の速さで進む薬物療法については、専門家であっても時に解釈に悩むことがあります。このSNSを通じて、婦人科がんについて悩む皆さんへ、最新かつ適切な医療情報を伝えるお手伝いができればと考えています。

ピアリング・ブルー顧問
押川 勝太郎先生
(宮崎善人会病院 腫瘍内科医
がん防災YouTuber)
がん治療の本質とは「自分の人生を守る」こと。
私たち人間の限りある人生を、どれだけ躍動させることができるかが、がんという病気に翻弄されずに、自分の時間をどれだけ有意義にできるかが、がん治療の本当のポイントになってきます。(著書『がん治療 最善の選択』より)
ネット上の不適切ながん情報は4割にも上ると報告されています。
孤独なネット検索は危険です。匿名で「みんな」と一緒に、正しいがん治療人生を歩めるピアリング・ブルーは、がん患者の「護送船団」です。
スタッフ

理事
望月 ミサ
子宮・卵巣をはじめとした婦人科がん(乳がん以外)は、種類・年齢層が幅広く、妊娠出産の問題に個人差もあり、サポートにはさまざまな立場の方の協力が必要です。仲間を待っています!骨盤内の女性器は消化器にも密接なので、ピアリング&ピアリング・ブルーを連携し、共通の悩みをサポートします。(婦人科チームリーダー)

理事
林 恵理
がんになって世界が変わり、自分が変わってしまったような気持ちになった時、ピアリングで同じ思いの人がいると知り、それだけで救われた気がしました。治療中の方、経過観察中の方、その思いを聞かせてください。1人にならないで。ピアリングにはたくさんの仲間がいます。

理事
瓜生 享子
乳がんに罹患したことよりも胸を失うことに涙した日々。ピアリングに出会い、失ったお胸を取り戻すことができる「乳房再建」に出会い、思い悩んでいるのは一人じゃないと知りました。
乳がん治療の一部である乳房再建。治療も再建も、後悔しない選択ができるよう願っています。ピアリングの仲間と一緒に歩んでいきましょう!

調査・研究担当
佃 美紗都
がんに向き合いながらも自分らしく活動をしていけるような社会の実現を目指し、生活課題などの調査・研究に取り組んでいきたいと思います。ピアリング&ピアリング・ブルーの皆さんの声を発信し、社会を動かしていきましょう。

スタッフ
淀川 知子
私も突然の乳がん告知により、手術や抗がん剤治療の副作用による脱毛の恐怖に苛まれる日々を経験しました。がんという病気や治療は、当事者でなければ分からない苦悩がたくさんあります。ピアリングは、同じ病気を経験した仲間の情報交換の場です。苦悩を分かち合い、安らげる場としてピアリングが皆様の支えとなりますように。

アピアランスケア・アドバイザー
野村 奈美
アピアランス(外見)ケアは、心のケアです。
安心して治療に望めるように。一歩外に出る勇気が持てるように。あなたの心が少しでも軽くなるように。
誰もが平等に、自分が望むアピアランスケアが受けられる、そんな社会を目指して、ピアリングのみなさんと歩んでいきたいです。

スタッフ
福田 ゆう子
妊娠中に若年性乳がんと告げられ、不安と絶望に包まれました。でも信頼できる情報や仲間と出会い、支えられて治療を終え、今は充実した日々を過ごしています。
がんは不幸ではありません。一緒に歩いていきましょう。あなたにも笑顔になれる日がきっと来ます。
団体概要
団体名称 | 一般社団法人ピアリング |
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設立 | 2017年6月30日 |
事業内容 |
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所在地 | 〒224-0032 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央30-14 キーウエスト402号 |
役員 | 上田 暢子(代表理事)望月 ミサ、林 恵理、瓜生 享子、佐々木 香織(理事) |
医療顧問 | 鈴木 瞳(乳腺外科)、西川 忠暁(婦人科)、押川勝太郎(腫瘍内科) |